木材の加工、取付け、工作物を増築など、木製の部材を扱う工事が大工工事にあたります。大工職人が手作業で木材を加工することを「手刻み」と言い、かんなやノミを使って木材を加工していきます。最近では、工場で木材を加工して、現場で組み立てるプレカット工法が主流になってはいますが、微妙な誤差の調整や取付けにはプロの大工が必要です。また、住宅にも使用される大黒柱や小黒柱、柱と梁を繋ぎ合わせる綱ぎ手や仕口の加工は、プレカット工法では不可能な部分ですので、手刻み大工の技術が必要になります。
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大工職人による木材部材工事
プレカット工法による品質の安定化
在来工法は、従来、大工職人が現場で木材を切って削って加工することで部材を製作していました。それゆえ、品質が職人の技術によって左右されてしまうという問題があり、そこが在来工法のデメリットでした。しかし最近では、工場で機械を使って木材を加工する、プレカット工法が主流となっています。この工法が採用され出したことで、複雑な綱ぎ手や仕口は職人の手によって加工されますが、大体のパーツは、品質を均一にした状態で生産できるようになりました。しかも、機械を使うことで工期が短縮されて、コストの低減にも繋がります。
手刻み加工
木造住宅の重要な部材である「木」は、人工物とは違い、それぞれに違った木目の流れがあります。職人は目視と長年の経験で培った感覚で、それを見極めてスミ付け(加工するためのあたりとなる線)を記し、のこぎり、ノミ、カンナで加工していきます。これを手刻みといい、熟練の職人が造ると、味のある仕上がりになります。また、手刻みでしか作れない、継ぎ手や仕口は、耐力の強い接合部加工です。一方、プレカット工法のような単一な加工手段を用いると、どうしても熟練の大工職人が作る手刻みのパーツと比べて、品質は落ちてしまいます。プレカット工法も手刻みも、どちらも一長一短があるということです。